お店の日々の工夫
お客さんの「また来ます」を本当にする、小さな約束の覚え方
四日市のお店で、常連さんに「今度その色が入ったら取っておきますね」と言ったことはありませんか。レジ前で交わした、ほんの軽い約束も、忙しい一日が続くとすっかり忘れてしまいます。数日後にそのお客さんが来て「あれ、どうなりました?」と聞かれ、思わず「あ」と声が出てしまいます。結論から言うと、約束はその場ですぐ書き留めるだけで、ほとんど防げます。頭の中だけで覚えておこうとするから、忘れてしまうのです。約束の数が増えるほど、覚えていられる自信は薄くなっていきます。特別な仕組みも、お金も要りません。紙とペンさえあれば、今日から始められます。
やり方は簡単です。まず、レジのそばや作業場の近くに、小さなメモ用紙とペンを置いておきます。お客さんに何かを約束したら、その場で名前と中身を一行だけ書きます。「田中さん、青いカップが入荷したら連絡」というくらいで十分です。次に、そのメモを一日の終わりに見返して、まだ済んでいないものだけを、別の紙にまとめ直します。ここで済んだものは、思い切って捨ててしまいましょう。家族や従業員と店番を交代するなら、紙をレジの近くに置くと誰でも見られます。最後に、まとめ直した紙は、次の日の朝に必ず一番先に目を通す場所へ置いておきます。レジの下や、開店準備の道具の上など、毎日必ず目に入る場所が向いています。
これだけで、忘れていた約束にはっと気づける日が、ぐっと増えます。小さなことですが、この一手間があるかないかで、お客さんの受け取り方は大きく変わります。ただ、書くこと自体を忘れてしまう日もあると思います。そんな時は「今日は誰かに約束をしたかどうか」だけでも、閉店前に一度思い出してみてください。それだけでも、お客さんとの小さな信頼は、ずいぶん守りやすくなるはずです。
このコラムは、西村利之と山口真が書いています。
