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お店の日々の工夫

値札の書き直しが減る、値段の決め方の話

四日市のある惣菜屋さんでは、野菜や肉の仕入れの値段が毎日のように少しずつ上下します。たとえば大根が1本80円の日もあれば、120円の日もあります。そのたびに古い値札をはがして、新しい値札を手書きします。忙しい朝の時間がどんどん削られてしまいます。値段がころころ変わるせいで、お客さんから「昨日と値段が違うね」と聞かれることも増えます。答えるのも一苦労です。結論から言うと、仕入れの値段にぴったり合わせて値段を決めるのをやめると、書き直す回数はぐっと減ります。

やり方はそれほど難しくありません。まず、いつもの仕入れの値段よりも少し高めに、余裕を持たせた値段を最初から決めておきます。仕入れが80円でも120円でも困らないくらいの値段にしておくイメージです。次に、仕入れの値段がその余裕の中でおさまっている間は、値段を変えないと自分の中で決めておきます。多少上下しても気にしません。毎回その場で悩んで決めなくてよくなります。最後に、値段を見直す日を週に一度など先に決めておき、その日にまとめて確認します。当日の仕入れの値段を見て、余裕の幅がまだ合っているか確かめるだけで済みます。値札を貼り直す手間が自然と減ります。お客さんから見ても値段が安定して見えるので、信頼にもつながります。

ただし、仕入れの値段が急に大きく上がったときは、決めておいた余裕の範囲を超えてしまいます。そうなると、値段を変えないと赤字になってしまいます。そんなときは無理をせず、素直に値段を上げて構いません。書き直す回数を減らすことが目的で、値段を絶対に変えないことが目的ではないからです。最初のうちは余裕の幅が狭すぎて、思ったより書き直しが減らないこともあります。そのときは幅を少し広げてみて、自分のお店に合う余裕を見つけていくとよいと思います。

このコラムは、西村利之と山口真が書いています。