引き継ぎ・教える
教えるのが苦手な人ほど、チェックリストに助けられる
新しく入った人に仕事を教えるとき、何から話せばいいか迷ってしまう人は多いです。口で説明すると、大事なことを言い忘れたり、順番が入れ替わったりします。教えた後になって、「あれ、ちゃんと伝えたかな」と急に不安になることもあります。同じ質問を何度も受けて、正直しんどいと感じる人もいるはずです。特に忙しい時間帯に呼び止められると、教える側も答える側もあせってしまいます。
そんなときは、話す前に紙一枚のチェックリストを作ってしまうのが近道です。うまく話す練習をするより、先に手順を書き出しておくほうが早く終わります。教えるのが苦手な人ほど、この紙一枚に助けられます。まず、自分がその仕事をするときの動きを、順番通りに一行ずつ紙に書き出します。朝一番にやることから書き始めると、抜け漏れが少なくなります。次に、書いた紙を新しい人の前で読み上げながら、実際にその場でやってみせます。声だけで説明するより、紙を指さしながら動くほうが、順番がそのまま伝わります。よくある失敗や注意する点も一言添えておくと、後で聞かれる回数が減ります。最後に、教えたあとその紙を作業する場所に貼っておきます。忘れたときは聞く前に紙を見てもらえば、質問される回数もぐっと減ります。貼る場所は、目の高さで作業しながら見える場所を選ぶと、より役に立ちます。
ただ、紙に書いても、実際にやってみないと分からない細かいコツも残ります。何度か一緒にやってみて、抜けている部分をそのつど書き足していくことも大事です。紙は一度作って終わりではなく、少しずつ育てていくものだと思うと気が楽になります。それでも聞かれることはありますが、前よりは確実に減っていきます。教える側の気持ちにも、少しずつ余裕が生まれるはずです。
このコラムは、西村利之と山口真が書いています。
