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変えることとの付き合い方

「うちは昔からこうだから」と言う前に、1週間だけ試す方法

四日市のある工場では、朝の指示はいつも口頭でした。班長が「今日はこの順番で作ってね」と伝えるだけで、紙にも黒板にも残しません。新しく入った人が聞き逃すと、材料の準備が間に合わず、機械を止めてしまうことがありました。同じ説明を二度も三度もすることになり、班長自身もくたびれています。ベテランの人に「順番を紙に書いておきましょうか」と言ってみます。すると「うちは昔からこうやってきたから大丈夫」と返ってきます。悪気はなく、ただ長年のやり方を疑ったことがないだけなのです。でも、いきなり全部を変える必要はありません。まずは一週間だけ、今までのやり方の隣に新しいやり方を並べて、実際にどうなるか試してみましょう。良いか悪いかを言葉で言い争うより、一週間という短い期間で確かめれば、それだけで十分です。

やり方は三つです。まず、今週の月曜から金曜までと、期間をはっきり決めます。長く続けようとすると、始める前から気が重くなってしまうからです。次に、変える部分は一つだけに絞ります。朝の指示を口頭で伝えたあと、同じ内容を黒板にも書き写すだけにします。欲張って何もかも変えると、何が効いたのか分からなくなります。他の作業はいつも通りで構いません。最後に、金曜の夕方に少しだけ時間を取ります。聞き違いが何回あったか、材料待ちで機械が止まった回数が減ったかを、みんなで一緒に振り返ります。数を数えるだけの簡単な確認で十分です。言葉で言い合うより、実際に起きたことを並べて見るほうが、話がずっと早く進みます。

一週間で目に見える違いが出ないこともあります。長年の癖は、そう簡単には変わりません。それでも構わないのです。うまくいかなければ、いったんやめて、別の一つを来週また試せばいいだけです。少しずつでも、自分たちに合うやり方が、きっと見つかっていきます。

このコラムは、西村利之と山口真が書いています。